多糖類の分散方法
増粘多糖類 (Polysaccharides) は高い粘性をもつ天然由来の水溶性高分子の一種です。
多くは食品素材の抽出物で、食品・医薬品・医薬部外品・化粧品・工業用途と幅広く使用されています。増粘安定剤として表記されることが多く、増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊剤として役立っています。天然由来であるため、生分解性という特徴があり、特に水溶液は菌類が繁殖しやすく、一般に製品は乾燥粉末状です。
増粘多糖類を扱う際のポイントとして「ダマ (ままこ) をつくらず溶解させる」があります。ダマを形成することで、増粘多糖類の本来の特性を十分に発揮することができないため、分散方法が重要となってきます。
このページでは、一般的な増粘多糖類の分散方法を動画を用いてわかりやすく解説しています。
ダマ (ままこ) をつくらず溶解させる方法
増粘多糖類のダマ (ままこ) をつくらず溶解させる方法をいくつかご紹介します。
他の粉末と混合 (プレミックス)して添加する。
増粘多糖類と他の製品や、試薬と混合 (プレミックス) することで、形状の違う粒子同士で距離が離れることで分散しやすくなりダマの形成を防ぎます。
食品業界では砂糖とプレミックスして添加することが一般的です。
アルコール, グリコール類に分散して添加する。
増粘多糖類が溶けない溶媒 (例:エタノール, グリセリン, PGなど) に分散させてから投入することで、粒子同士の距離が離れて水分子が入りやすくなり、ダマの形成を防ぎます。
分散改良された製品
表面処理により分散性を改良
製品に予め易分散処理が施されている場合、粉末がコーティングされているため、溶解 (水和) にかかる時間が調整され、ダマの形成を防ぎます。
粒子のサイズにより分散性を改良
製品の粒子がある程度の大きさであれば、粒子同士の間に水分子が入り込みやすくなり、ダマの形成を防ぎます。粒子の大きさは、顆粒化・造粒により粒子サイズを調整した製品があります。
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