化学式 素材図鑑

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ジェランガム(Gellan gum)は微生物発酵によって生産される天然多糖類 (バイオガム) の一種で、微生物の発酵により生産・抽出されたものを精製・乾燥し製造されます。

ジェランガムは大きくネイティブジェランガム (HAタイプ) 、脱アシルジェランガム (LAタイプ) の2つに大別されます。製品の特性はアセチル基およびグリセリル基 (併せてアシル基) の有無によって異なり、製造時にネイティブジェランガムを脱アシル化することで、脱アシルジェランガムが製造されます。アシル基含量の多いネイティブジェランガムはHAタイプ (High Asyl) 、アシル基含量の少ない脱アシルジェランガムはLAタイプ (Low Asyl) と呼ばれます。

一般的なジェランガムは約80℃以上の熱水に溶解します。特性として、増粘、ゲル化があり、食品用途や化粧品用途、工業分野用途など多方面で利用されています。

このページでは、ジェランガムの基礎物性を動画を用いてわかりやすく解説しています。

※本動画はCaイオンを添加しておらず、製品そのものを溶解させた様子の動画です。

●粉体外観:白色の粉体です。

●分散:他の多糖類よりも分散性が良くダマになりにくく、粒子が膨潤しやすいため、比較的早く増粘します。

●溶解性:冷水分散で増粘しますが、粒子の膨潤による見かけ上の増粘なため、80℃以上加熱することで溶解します。

●流動性:ネイティブジェランガム、脱アシルジェランガムともに加熱時はさらさらとした流動性ですが、

     ネイティブジェランガムは冷却してゲル化温度を下まわると、徐々にゲル化し始めます。

(一言メモ📝)

ジェランガムはCaイオンと反応し、ゲル化する特性があることから、食品用途ではゼリーやゼリー感のある飲料、化粧品用途ではクリーム等に利用されています。

ここが着眼点💡

(0:35~)
冷水にジェランガムを投入した時の様子です。ジェランガム粒子は分散性が良く膨潤しやすいため、ダマは形成されにくいです。

(0:50~)

冷水分散において粘度が上昇しますが、粒子の膨潤による粘度上昇なため、少し注意が必要です。

(1:30~)
HAジェランガムは、加熱溶解後に冷却してゲル化温度 (約80℃) を下回ることで冷却することでゲル化します。容器へ充填した直後から、容器の壁に接している部分から徐々にゲル化が始まることもあります。

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