海藻生まれの「カラギナン」
カラギナンの代表的な3タイプ
カラギナン(カラギーナン)は寒天と同様に海藻から抽出される多糖類です。アイルランド地方に生息するアイリッシュモス(コンドラスクリスパスの別名)という海藻をミルクのゲル化剤として使用していたことがカラギナン利用の起源とされていますが、19世紀初期にはアイリッシュモス粉末をビールのオリ下げ剤や繊維用糊料として利用されていました。 その後、カラギナンを精製抽出した製品が工業的に生産されるようになり、現在では様々な製品に利用されています。
カラギナンの基本的な構造は寒天とよく似ていますが、カラギナンは寒天よりも多くの硫酸基を持っており、カチオンやタンパク質との反応性に優れます。また、カラギナンにはカッパ、イオタ、ラムダという代表的な3つのタイプがあり、それぞれ粘性、ゲル化性などの物性が異なります。
特にカッパタイプは少量で強いゲルを形成することから幅広い製品に利用されていますが、カッパカラギナン単体ではゲルの弾力性が弱く、離水が多い為、ローカストビーンガムとの相乗効果を利用して弾力性と離水状態を調節しながら利用されています。
主な利用用途
食品でのカラギナンの主な用途はカッパタイプの強いゲル化性を利用したデザートゼリーやミルクプリンのゲル化剤としての用途ですが、その他にもアイスクリームの安定剤や畜肉製品の品質改良剤、タレやソースの増粘剤としても利用されている他、食品以外ではビールのオリ下げ剤、芳香剤や練り歯磨きの増粘・ゲル化剤としても利用されています。
また、近年ではゼラチンに代わる原料としての用途も増えており、ゼラチンフリーのグミキャンディーや植物性カプセルの原料としても利用されています。
三晶(株)ではCPケルコ社の製品を取り扱っており、一般的なタイプの他にゼラチン食感タイプ、冷水・冷ミルク溶性タイプ等の特徴的なタイプのカラギナンもご紹介しています。
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