水に“とろみ”を付ける「キサンタンガム」
微生物がつくり出す多糖類
キサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス菌(Xanthomonas campestris)という微生物がつくり出す多糖類の一つで、食品をはじめ、医薬品、化粧品、工業製品など幅広い分野において、水に“とろみ”を付ける、いわゆる増粘剤として主に利用されています。キサントモナス・キャンペストリス菌は植物の葉を枯らす原因菌の一種ですが、菌が増える際に体外に排出するキサンタンガムの特性が注目され、1960年代にアメリカ農務省によって生産に関する研究が行われ、1964年にケルコ社(現CPケルコ社)が工業生産を開始し、三晶ではケルコ社製キサンタンガムの取り扱いを1967年に開始しました。
キサンタンガムの優位性
キサンタンガムは、他の増粘剤よりも優れた特徴がいくつかありますが、その最大の特徴は水中に分散した固形分を沈まないように保つ性能です。通常、固形分を沈まないようにするには単に水をドロドロの状態にすればいいのですが、それでは中身を容器から注いだり、移したりすることが難しくなります。一方、キサンタンガムを使用すると、水のように流れる状態にも関わらず、分散した固形分を沈みにくくすることができます。この性能を利用した製品例としては、細かく刻んだ食材が分散しているドレッシングやソース類、粒子が分散している研磨剤、塗料、インク類、農薬などがあります。 その他の特徴として、温度やpH(酸、アルカリ)の変化に対して安定だったり、塩類や界面活性剤が存在しても安定だったりすることから、液体クリーナー、接着剤、セラミック、化粧品(洗顔料、スキンローション、クリームなど)、練り歯磨きなど多種多様な製品に利用されています。
現在、三晶ではCPケルコ社のキサンタンガムの中で、工業用グレードとしてKELZANⓇ(ケルザン)シリーズ、化粧品・医薬部外品グレードとしてKELTROLⓇ(ケルトロール)シリーズの取り扱いを行っています。
KELZANⓇとKELTROLⓇに関しての詳細は、こちらをご覧ください。
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