製紙産業と澱粉
澱粉が利用されている分野
皆さんは「澱粉」というと食品をイメージされる方も多いと思いますが、それ以外に工業分野でも多く利用されており、植物から精製された澱粉製品の年間消費量270万トンの内、実に50万トン前後が製紙産業(段ボール用を含む)で利用されています。2016年度の国内の紙・板紙生産量は2,628万tなので、澱粉はその2%程度となり、製紙産業においての澱粉は添加薬品というよりも副原料に属するレベルとなっています。
製紙に大きなメリットをもたらす澱粉
どうして製紙産業でこれだけの澱粉が利用されているのでしょうか?
皆さんがご家庭で料理に片栗粉をご使用される際にお気付きと思いますが、澱粉は冷水に溶けず、水と共に加熱しないと糊になりません。このように、澱粉を糊として使うにはクッキングというひと手間が必要となるのですが、そのデメリット以上に次のような多くのメリットが製紙産業で認められており、これが澱粉利用の大きな理由となっています。
近年、製紙産業(特に段ボールなどの板紙)においては、輸送コストの削減などの理由で強度を保ちながらの軽量化(低坪量化)が急速に進んでおり、澱粉が更なる強度アップの一役を担うようになっています。
再生可能資源として注目される素材
地球温暖化や資源問題を背景に、二酸化炭素削減や化石資源の節約などの観点から、再生可能資源である澱粉などの天然系薬品への期待が高まっています。三晶株式会社/製紙資材部は、長年に渡り、澱粉をはじめとする各種天然系薬品を製紙産業向けとして輸入・販売しています。また、その他にも濾水性や歩留り向上用途に使われる各種PAM系薬品などの合成系薬品も各種取り扱っており、これらの取扱薬品を組み合わせることで、商社ならではの澱粉のデメリットを解消できるような付加価値の高い独自の製品やシステムの開発にも取り組んでいます。
製紙産業向けの取扱製品の詳細はこちらをご覧ください。
製紙紹介ページ >