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コラム

「機能紙」の誕生

100%合成繊維の「紙」

60年以上前の1950年代前半において、「紙」といえば、その主原料はいわゆる木材パルプであり、合成繊維のみで紙を作るということは想像もできませんでした。そのような中、京都大学岡村誠三研究室、廣瀬製紙㈱、倉敷レーヨン(現在の㈱クラレ)ならびに弊社との協力により、PVAとビニロンそれぞれの短繊維を用い、100%合成繊維から成る「紙」を作りました。これが現在の「機能紙」の誕生でした。弊社はフィブリボンド®(1958年登録)ならびにパピロン®(1959年登録)の商標を取得しております。フィブリボンドとは製紙用合成繊維のPVAバインダーであり、パピロンはPVAとビニロンの短繊維から成る機能紙です。このパピロンの発想、技術を基に、繊維技術の発展も伴って多くの機能紙が開発されてきています。

バインダー繊維と機能の関係

合成繊維を用いて紙を作る場合、紙を構成する「主体繊維」と主体繊維同士をくっつける役目を持つ「バインダー繊維」が必要です。主体繊維としては、合成繊維はもちろんのこと、金属繊維や無機繊維なども使用できます。まずは、求めている機能(例えば耐熱性、耐薬品性など)によって、主体繊維を選択します。次に、その主体繊維をくっつけるバインダー繊維では、主体繊維と馴染みがよいものを一般的に選択します。とはいえ、馴染みが良くても、耐熱性の機能紙を作るときに低融点のバインダー繊維を使用しては、耐熱性のある紙は作れませんので、繊維の選択では、総合的に判断する必要があります。

またバインダー繊維には、芯鞘繊維が使用されることもあります。芯鞘繊維とは、チーズ竹輪のような構造をしており、真ん中の「芯」(チーズ竹輪でいうチーズ)の部分と外側の「鞘」(チーズ竹輪でいう竹輪)の部分が異なる素材でできている繊維です。このような構造の繊維を用いて、例えば鞘部分には熱で溶けてバインド性能を発揮する素材とし、芯部分は熱で溶けない素材にすることで、バインダーとして働きつつも、繊維全体が溶けるバインダー繊維よりも繊維強度が保持されるようになり、結果的に機能紙全体の強度向上に繋がります。また合成繊維は円状(丸)だけでなく、三角やT字、扁平など様々な形状にすることができ、太さや長さも変えることができるので、同じ素材の繊維でも形状の異なる繊維を用いて機能紙を作ることによって、繊維自身が持つ機能(耐熱性、耐薬品性など)だけでなく、機能紙全体としての性能(密度、表面積など)を変え、新たな機能紙をデザインすることができます。

<芯鞘繊維の例>

<T字繊維の例>

合成繊維から構成される機能紙は、その原料の繊維には多くの素材や様々な形状、太さや長さがあり、その組み合わせは無限です。新たな機能紙のデザインをお考えの場合、是非とも弊社にご相談ください。

製紙用合成繊維に関しての詳細は、こちらをご覧ください。
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